はらすのブログ♪

〜自分が楽しく生きていけるように〜

【ナッジとは】行動経済学の応用方法を解説!

人間は、常に合理的な判断に基づいて行動をするわけではありません。

しかし、文章の表記や表示方法を工夫することによって人間の心理に働きかけ、行動を科学的に変えていくことは可能です。

自然についやってみたくなる…そんな良い方向に導いてくれるのがナッジ。

現状を好み且つより簡単な行動を選択する、この人間心理をうまく活用してご自身の習慣を変えてみませんか。

ナッジとは?

アメリカのシカゴ大学リチャード・セイラー教授が提唱した行動理論で、日本語訳にすると「そっと背中を押す」「そっと後押しする」という意味を持つナッジ。

例えば、禁煙・節約・運動など興味を持っているにもかかわらず、それを実行に移すのが難しいと感じている人に対して、自発的に望ましい方向へと誘導するものです。

強制したり、罰則やインセンティブなど行動を制限したりすることはありません。

ちょっとしたきっかけで最適な選択肢を取るための手助けをすることがナッジなのです。

ダークサイドバージョン【スラッジ】

私たちが良い方向に向かうのを妨げ、不利益をもたらすスラッジ。

例えばスーパーで使用するカートが大きいサイズだと、ついたくさん買ってしまいませんか。

世界的にも体重が少ないことで亡くなる人より、体重が増えすぎたことで亡くなる人のほうが多いのです。

私たちは必要以上に食べたり飲んだり、必要でないものを買っている場合が多々あります。

それは、ありとあらゆる場面で自分にとって望ましい選択肢を取ることが難しかったり、望ましくない選択肢を取ってしまうようにナッジされているからです。

人間の脳は、社会や企業が望む行動を取りがちなのです。

無理せず自分を変えていく【セルフナッジ】

本能や感情によって直感的・無意識に生まれる思考は、私たちの命を救うような瞬間的な判断をしてくれる重要な役割を果たします。

しかし、私たちを楽な方向へと向かわせる働きもあります。

長期的な目標は長く努力し続けないと達成できません。

反対に短期的な欲求は何の努力も必要としないため、目標だけ立てて終わりになってしまうことがしばしばあります。

誘惑に打ち勝つために日々油断することなく自分を律することは容易ではありませんよね…。

ここで自分自身にナッジをかけ、欲求に打ち勝ち、自らの行動を変える手助けをしてくれるのがセルフナッジ。

自らが置かれた環境を認識し、その上で関連性を断ち切るかまたは修正しようと意識することから始めましょう。

スラッジからの抜け出し方

スラッジの影響は近年さらに深刻になってきています。

インターネット・スマートフォンソーシャルメディアなどの登場で、気がつけばいつもスマホを取り出してSNSを眺めたり、ゲームをし続けるといった短期的な欲求を満たす行動を取るように組み込まれているからです。

例えば、【体重を◯ヶ月で◯キロ減らす】【就業後にランニングをする】といった目標を立てたとしても、結局食べすぎてしまったりスマホをいじってしまうといった経験はありませんか?

こういった状況から抜け出すためには他人任せにするのではなく、自らも考え行動しなければなりません。

具体例を挙げてみます。

  1. スマホを目の届かないところに置き、取りに行くのを大変にする
  2. 嗜好品やお菓子は棚の上に置く、またはスペースを限定してそれ以上は買わないようにする
  3. スマホやパソコンの通知音をオフにする
  4. 給与から一部を天引きして自動的に毎月貯蓄する

誘惑に負けないためにはそれを自分から遠ざけておく、目立たなくしておくことは効果があります。

こういったちょっとした行動を繰り返すことによって自分のためになることを理解し、この行動をしなければ損をしてしまうという意識が働きます。

行動に対してのメリットが分からなければアクションを起こしにくいのが人間。

更にフィードバックをすると、自ずと次回の行動に誘導することも可能になります。

【おまけ】世の中のナッジ

ここで身近にあるナッジを紹介します。

スーパーマーケットの商品が陳列されている商品棚の両端に置かれた商品は、通常の場合に比べて約2倍の売り上げをもたらすと言われています。

人間には遠くにあるものよりも手に取る距離にあるもの、目に付くところにあるものを選ぶ傾向があるからです。

また、コロナ禍が続いたことによって描かれた床の足跡や線があると、その場所で自分の順番が回ってくるのを待つといったものも心理をうまく利用しています。

営業で活用する方法としては、選ばせたいものを選択肢の中間レベルに置くという方法があります。

これは価格の異なる3つの選択肢を提示したときに、迷った人は中間の価格を選ぶ場合が多いからです。

ほんのちょっとの介入で良い意思決定が行える

このように自制心の強い人たちは、継続的な意志の力を必要としない方法で自分の行動を簡単に導くことに長けています。

常に努力を要するものは、途中で力尽きて続かなくなってしまうもの。

ほんの少し環境を変えて、誘惑的な状況に身を置く時間やきっかけを減らすだけで時間の使い方が変わってきます。

このとき、選択の導入部分の難易度を緩和することで、その後の良い選択へ誘導しやすくなります。

ちょっとしたきっかけ作りで、今後充実した時間を過ごすことが可能になるでしょう。