日本独特の文化であるお刺身。
健康に良いとも言われ、意識して摂取していらっしゃる方も多いと思います。
しかし、具体的にどのような効果があるのでしょうか?
今回はお刺身の効能だけでなく、ダイエットに向いている種類や選ぶ際のポイントもまとめました。
健康・美容に興味のある方は必見です。
是非ご覧ください。
刺身の効果4選
では早速、お刺身の効果について見ていきましょう。
1,タンパク質が豊富
タンパク質とは筋肉の元、いわゆる筋肉の栄養となるものです。
筋肉は、常に合成と分解を繰り返しています。
しかし分解されたときに一部のタンパク質は筋肉の合成に使われず、尿になって排泄されます。
そのため筋肉量の減少を防ぐには、タンパク質を継続的に摂取することが重要なのです。
また、タンパク質を十分に摂取しつつ筋トレをすると効率よく筋肉をつけられ、筋肉がつくと消費カロリーも増加するので、太りにくく痩せやすい体質になります。
2,良質な脂質を摂取できる
脂質はカロリーが高いというイメージがありますが、細胞膜やホルモンの原料になるため、完全にカットしてはいけません。
特に魚にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった良質な脂質が含まれており、体脂肪の減少や中性脂肪の抑制、血流を良くする作用があります。
またDHAは脳や神経の発達に、EPAは血管の健康維持に影響があり、健康的な体づくりが目指せます。
特にいわしやサバなどに多く含まれています。
3,糖質を抑えられる
糖質を摂り過ぎると、必要以上にインスリンが分泌されるようになります。
このインスリンは血糖値を下げる役割を果たしますが、一方で脂肪を溜め込む作用もあるのです。
しかしお刺身はほとんど糖質を含まない上、そのまま醤油につけて食べることで調理の最中に糖質が加わることもありません。
4,カロリーを抑えられる
普段の食事の肉料理や魚料理を刺身にすることで、食事から摂取するカロリーを抑えやすくなります。
カロリーは体を動かすエネルギー源ですが、摂り過ぎると中性脂肪として身体に蓄積されてしまいます。
主な栄養素
では、具体的にどのような栄養素が含まれているのでしょうか。
先ほどご紹介したEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)。
血中脂質のバランスを整える効果が特徴的です。
DHAはアトピー性皮膚炎への効果も認められますし、EPAには血圧を低下させたり、血栓ができにくくなる働きも期待されます。
ともに人間の体内で作ることのできない栄養素で、マグロ・カンパチ・鯛・アジなどに多く含まれています。
酸化されやすい脂肪酸なので、加熱せず、刺身で食べるのが効果的です。
2,アスタキサンチン
赤い天然色素のアスタキサンチンは、サーモン・鯛・エビなどに含まれています。
抗酸化作用があり、疲労回復や運動機能を高める効果が期待されます。
また、脳の血管を若々しく保ち、動脈硬化を防ぐ働きもある優秀な栄養素です。
3,タウリン
アミノ酸の一種でアジ・イカ・タコ・エビ・ホタテなどに多く含まれています。
タウリンは肝臓の機能を助け、強化する作用が期待される栄養素です。
コレステロールを低下させる効果もあります。
4,ビタミンB6
タンパク質の代謝になくてはならない栄養素で、マグロに多く含まれています。
皮膚などの粘膜の健康を保持し、免疫機能を保つ効果もある他、脂質代謝にも関与し肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ効果が期待されます。
5,ビタミンD
カルシウムやリンの吸収を助けて、骨を強くする効能が期待されています。
筋肉を動かしたり、体内に侵入した細菌やウイルスを撃退するためにも必要不可欠な栄養素です。
カワハギ・カンパチ・サーモン・マグロ・ヒラメに多く含まれています。
ダイエット向きの刺身
健康でありたいのであれば積極的に摂取したいお刺身。
その中でも特にカロリーが抑えられた魚を7種類ご紹介します。
1,マグロ
マグロの赤身は100gあたり115kcal、タンパク質量は100gあたり23gで、カロリーが低くタンパク質が豊富なことが特徴です。
また、カリウムや鉄といったミネラルも豊富に含まれています。
カリウムは体内のナトリウムを排出するとともに、むくみを改善させる作用があり、鉄は赤血球に多く含まれ、全身に酸素を送り込む働きを持っています。
マグロの脂にはDHAやEPAが含まれるため、体脂肪燃焼効果があるのもメリットの一つです。
ただし注意点として、大トロは赤身の3倍のカロリーがあり、摂取カロリーの過剰で体脂肪が増加してしまうため、食べ過ぎないようにしましょう。
2,カツオ
カツオは年中手頃な価格で売られているのも嬉しいですよね。
鉄が豊富に含まれるので、貧血気味の人にもおすすめです。
カツオの鉄分は野菜に含まれるものよりも体に吸収されやすく、貧血対策になります。
ちなみに春に獲れる初鰹は、100gあたり108kcal。
秋に水揚げされる戻り鰹は脂がのっているため、100gあたり165kcalで、タンパク質量は100gあたり15gほどです。
苦手な方は、調理する際に玉ねぎと一緒に刺身で食べると、魚のにおいが薄れます。
3,タコ
刺身の中でも低カロリーで、100gあたり70kcal、脂質がほとんど含まれていません。
弾力がありよく噛んで食べることで、満腹中枢も刺激されやすく、食べ過ぎの防止に繋がります。
タンパク質の合成や脂肪の代謝に関わるビタミンB12も豊富に含まれています。
4,イカ
100gあたり88kcalで、タンパク質は18.1gと低カロリー・高タンパク質なイカ。
タンパク質の吸収を促進するビタミンB群も含まれています。
タンパク質の栄養価が優れていることを表す【アミノ酸スコア】が高いのも特徴です。
5,サーモン
サーモンは100gあたり223kcalで、若干高めのカロリーですが食べ過ぎなければ問題はありません。
DHAやEPA、アスタキサンチンも豊富に含まれており、抗酸化作用があります。
運動時に発生した活性酸素によって筋肉細胞が破壊されてしまうのを防いだり、傷ついた筋肉の修復にも効果的に作用してくれます。
6,アジ
100gあたり121kcalとマグロの赤身と同じぐらいのカロリーで、タンパク質量は100gあたり18g含まれています。
スーパーなどで低価格で出回っているため、日常的に取り入れやすい魚です。
DHAやEPAが含まれるので、中性脂肪を抑える働きがある他、カルシウムも豊富に含まれていることから、骨の強化や骨粗鬆症の予防に繋がります。
また、皮には細胞の成長や再生に影響するビタミンB2が含まれており、体脂肪を減らす効果があります。
7,鯛
100gあたり194kcal、タンパク質は20.6gほどです。
筋肉の成長に効果のあるビタミンB群も多く含んでいます。
肌をすべすべにするビタミンA、大人ニキビを防ぐ効果のあるビタミンB2も含まれているのが特徴です。
より効率よく摂り入れるためのポイント
では最後に、お刺身を摂取する際のポイントをまとめておきます。
1,新鮮なものを選ぶ
鮮度が悪いと体調を崩してしまうリスクがあるだけでなく、DHAやEPAが空気に触れることで劣化し、良い効果を期待できなくなってしまいます。
鮮度の良い魚の特徴は、
- ツヤがある
- 身がしまっている
- 切り口に虹色の光沢がない
- トレイに赤身がかった水分が溜まっていない
以上の4点です。
健康維持のためにも、良いお刺身を見分けられるようになりましょう。
2,食べ過ぎない
何事も【◯◯し過ぎない】のは大事です。
体重や年齢などによって必要なタンパク質量が異なりますが、脂身の少ない魚の場合、1食に100g程度が目安とされています。
3,つまも食べる
つまに使われる野菜や海藻には食物繊維が豊富に含まれるので、血糖値の上昇を緩やかにしてくれる働きがあります。
4,海鮮丼は控える
一般的なお茶碗1杯には150〜200gのご飯が盛られますが、丼になるとその1.5倍の量が使われると言われており、300gのご飯で500kcalもあります。
このため、ご飯とお刺身は別々に分けて食べるのがおすすめです。
消費カロリーよりも摂取カロリーが少ない【アンダーカロリー】という状態を意識しましょう。
5,醤油漬けにしない
塩分の摂り過ぎになり、高血圧やむくみの原因になります。
このように、お刺身を積極的に摂ることによって、体内には嬉しい効果が沢山もたらされます。
未来の自分への投資だと思って、今日からお刺身生活を始めてみませんか。