大切な人や物がなくなってしまうことをイメージしてしまい、嫌悪感に苛まれた経験はないでしょうか。
その上でもし、なくなることが想像出来なかったり、ひどく不安になってしまうようであれば依存傾向が強いとされています。
このような状態になってしまうとなかなか自立することが出来ず、改善しようと思い立っても壁にぶち当たればすぐに戻ってしまいます。
不安になったり安心したりと気持ちの上下を繰り返し、自らを疲弊させてしまう依存体質。
特に子供の頃に認めてもらえなかったなど、辛く寂しい経験がある人は陥りやすいと言われています。
依存とは?
対象のものを常に求めそれがなくては身動きが取れない状態のことを依存と呼びます。
そのため依存体質の人は、自分で何かを決めることや一人で行動することが難しくなります。
日常生活に支障をきたすほど何かに依存して抜け出せない状態が俗に言う依存症で、医療による治療が必要です。
依存体質な人の特徴
自分自身や周りの人たちに、以下の項目が当てはまる人はいないでしょうか。
1,承認欲求が強い
このような人たちは自己評価が低く、それを他人の評価で埋めようとするため「これどうかな?」「どう思う?」と聞きがちです。
ところが求めている返事は「いいね」の一択なので、それ以外で返されると簡単に心が折れてしまいます。
周囲から嫌われることを極端に嫌い、周囲から良く評価して欲しい人。
言い換えれば、自分で自分を評価することが出来ません。
他人に認められること=自分の価値だとさえ思っています。
「他人から認められたい」「他人から肯定されたい」という思いがモチベーションに繋がっている程度なのであれば問題はありません。
2,自分のことを一人で決められない
自分の意志よりも他人の意見を重視することが多く、転職や引越しなどの大きなことや友人の誘いなどの小さなことまで決めるのが難しくなります。
自分で決めたことが他人の意向に沿っているのかを気にしてる場合、些細なことでも「これどうしたほうがいいかな?」と聞いてしまいがちです。
3,嫌なことから逃げて楽になった経験がある
気晴らしに買い物に行ったり愚痴を言ったり、お酒を飲んで忘れようとする行為は【ストレスコーピング】という対処法の一つなので気にすることはありません。
しかし、その行為があたかも嫌なことから救ってくれた存在だと錯覚してしまうと依存に陥り、嫌なことがあるなしに関わらず頼ってしまいます。
4,強がりなのに寂しがり屋
自分に自信がなく自分を好きになれないため、他人に愛情を求めてしまいます。
一人が苦手で誰にも必要とされないことが耐えられません。
5,物で愛情を示そうとする
目に見えないのものに対して非常に不安感を持ってしまうので、形に表れるもので要求するか無理をしてまでも高価なプレゼントを贈ってしまいます。
ホストにハマる人がこのタイプです。
6,束縛がひどい
相手の事情は完全に無視し、嫌われたくはないけれど、自分自身が安心したいがために四六時中連絡をしてしまいます。
治し方・対処法
このように、依存体質の人は常に不安と闘っているため結構しんどい思いをしています。
ここでキーワードになってくるのが自立。
人や物に向けられている自分の中の関心を、自分自身に向けることで抜け出すことが可能になります。
1,小さな成功体験を重ねて自己肯定感を高める
まず自信をつけるために、自分だけで達成できる目標を設定して成し遂げることを何度も繰り返しましょう。
ありのままの自分を肯定する感覚を掴むことが目当てなので、まずは日常で出来ている【遅刻しない】【早寝早起きをする】などから意識し始め、徐々に目標を設定していきましょう。
その際「お疲れ様」「ありがとう」「頑張ったね」という、他人には自然に使う表現で自分にもねぎらいの言葉をかけてあげてください。
他人に左右されることや自分にはできないことは避け、あくまでもスモールステップで目標を設定します。
2,不安に感じるものを書き出し客観視する
そもそも人間自体、正体がわからないものに対して強い不安や恐怖を覚えます。
そして、頭の中で考えているだけでは堂々巡りのようにずっと同じ不安に苛まれてしまうのです。
そのため、まずは他人に頼る前に先に書き出す癖をつけて、何に対して不安に思っているのか明確にしていきましょう。
不安の元がはっきりし客観視することが出来るようになると、依存を抜け出すきっかけになります。
3,新しいことを始めてみる
例えば読書やスポーツなど興味を持っていることや、やってみたいと思ったことを始めてみるだけでも視野が広がります。
4,広く浅くを意識する
依存に陥るということは、何か一つのことに執着し過ぎる傾向があるということです。
言い換えてみるとちょうど良いのは適当ぐらいで、こだわりすぎていた自分を発見することに繋がります。
5,自分を信じる
「これでいいのかな」「こんな私でいいのかな」という口癖は直していき、「やることはやった」などの自分で自分を認める言葉を積極的に使っていくように心掛けましょう。
程よい距離感が必ずある
何かに依存しなくとも、自分の時間や趣味を大切にすれば意外と楽しい時間が過ごせるものです。
昨今流行っているSNS等も必要以上にチェックすることは避け、物理的な距離を置くことによって自分だけで出来ることがあると気付けます。
何よりも楽しそうに過ごすあなたを見た人も幸せな気持ちになり、双方にとってプラスになるのです。